ふたり








「では本題です」


「前置き長ぇな」


「異性からは人気だけど、異性の中で最も仲の良いのはマサキだと言うヒメ」


「異性の中で最も仲良い奴ってのが俺なのは、お前の考えだけどな」


「そんなヒメが好きになったのは、見ていて癒される、可愛い人。
異性に興味のねぇヒメが、そう見る奴って、お前じゃねぇの?」


「は?」


「お前はさっきから自分じゃねぇって否定ばかりしているけどよ。
ヒメのことを見ていると、条件に当てはまるのがお前だけの気がするんだよなぁ。

大体、ヒメの身の周りに、見ていて癒される、可愛い奴が思いつかねぇんだよ」


「……何で俺が」




ガサツだし、言葉遣いは乱暴だし。

癒されもしないし、可愛いなんて言葉はかけ離れている。





「ただしだな、マサキ」


「んだよ……」


「今言った僕の考えは、あくまでヒメに同性愛の興味がない場合だ。
もしあったのなら、他の奴かもしれねぇ。

僕も思うんだ。
マサキを癒されて可愛いなんて言う変わった奴、いるんだなぁって」


「……だろ?」




俺を見て癒され、可愛いなんて言う奴。

1回眼科に行くことをおススメしたい。






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