ふたり








「……マサキ。
知りたくねぇか?ヒメの好きな奴」


「……知りてぇ」




ヒメの親父の気分で、俺は頷いた。

ヒメに似合う、優しい奴なのかどうか、知りたい。




「1個だけ、解決方法があるんだ」


「何だ、教えてくれ」


「お前がヒメに告白するんだ」


「……はっ!?」




デジャヴか!?

何で“告白”以外の選択肢がコイツにはねぇんだ!?





「ヒメにお前が告白するだろ?

それで万が一フラれたとする。

最後に聞いてしまえば良いんだよ。
ヒメに昨日告白した後輩のようにな。

“ヒメの好きな奴は誰なんだ”って」





…確かに自然な流れではある。

ただ…………




「カオル。
それ完全に他人事だろ。

言うのは俺なんだぜっ!?」






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