ふたり
……言った。
言いきっちゃったよ、俺。
顔見れなくて、床の一点を見つめた。
「……えっ?」
ヒメの素っ頓狂な声が聞こえる。
俺はやっぱり俯きながら早口に述べた。
「お前のことが好きだ、ヒメ。
俺と付き合ってほしい」
俺の顔、絶対に真っ赤だ。
夏並みに体も熱い。
告白って、こんな緊張するんだ。
俺はあの後輩を尊敬した。
「――好きだっ!ヒメっ!!」
声が無意識に震えてしまう。
外では部活の声がするはずだけど。
何も聞こえない。
聞こえるのは漫画みてぇな俺の心臓と呼吸の音だけ。
まるでこの世界に、
俺たちしかいねぇみたいだ……。