ふたり
「おはよーっ!」
教室に入ると、真っ先に俺の1番の友達であるカオルがやってきた。
カオルと俺は高校で出会ったけど、同じサッカー部だったことで仲良くなった。
「おはようカオル」
「マサキお願い!課題見せてくれないかな?」
「俺も今からヒメの写すんだ。その後で良いか?」
「それで頼む!
…てか、ヒメって相変わらず優しいな」
あの笑顔にとんでもない優しい性格のお蔭で、ヒメは男女問わず恐るべき人気を誇っている。
バレンタインには先輩後輩男女関係なく下駄箱にはチョコレートの山が出来て。
学年トップ3に名を挙げるだけあって、先生からの人望も厚い。
「そういやマサキ知っているのか?」
「何をだ?」
「ヒメ、また美術部のコンクールで最優秀賞取ったんだって!」
「最優秀賞!?」
美術部では2年生ながら副部長を務め、コンクールでは入賞の常連。
俺も何度もヒメの絵を見たけど、壮大過ぎてコメントも何も言えなくなってしまう。
「上手い」なんて言葉じゃカバー出来ねぇぐらい、ヒメの実力はあった。
「すげぇなぁヒメは」
…だけどもうすぐで3年生と言うこともあり、俺はその結果に素直に最近喜べなくなっていた。