ふたり







もう本当…夢みたい。

真咲がわたしの彼女になるなんて。




「あっ…わたしって言ってる」




やっぱり慣れないなぁ。

ずっと“わたし”と自分のことをさしてきたから。




「でも真咲と約束したし…俺で頑張ってみるか!」




俺は再びベッドに寝転がる。




「はぁ…サイコー」




俺から告白したわけじゃないけど。

真っ赤になって恥ずかしがる真咲は、本当に可愛かった。

何度俺の理性が飛びそうになったか、きっと真咲は知らない。





「明日、真咲ぜってー可愛くなってんだろうな」




帰り道、ずっと手を繋いでいたら。

真咲はずっと、自分のことを本来の“あたし”と言っていた。

口調も男らしくなく、ごく普通の女子高校生らしく、照れていた。

時折唇を尖らせ怒る時は…本当このまま襲ってやろうか本気で考えたほど。





「…俺、自分のことは“わたし”って言うし、口調も男らしくねぇけど、襲いたいって気持ちはあったんだなぁ」




素直に感心。







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