ふたり









「なぁマサキ」




課題を無事出し終え、昼休み。

俺はカオルと昼ご飯を食っていた。




「前から聞きたかったんだけどよ」


「んだ?」


「マサキってヒメとどんな関係なんだ?」


「何って…幼馴染だろ。
何度言えば気が済むんだよ」


「じゃあ質問を変える。
ヒメとどんな関係になりたいんだ?」


「……は?」


「このまま幼馴染止まりで良いのか?」





このまま幼馴染止まり…。

俺は毎朝母親が作る弁当を食べる手を止めた。




「お前がヒメに恋しているのはわかってんだよ。
ヒメがお前をどう思っているか知らねぇけどさ。

……ヒメとこのままで良いわけ?」


「…………」





俺はカオルに1度もヒメが好きだと話したことはない。

だけどカオルはわかってしまった。



『どうしてわかったんだ』と問い詰めた時、コイツは簡単に言った。





『マサキの視線を見ていればわかる』、と。







< 5 / 56 >

この作品をシェア

pagetop