ふたり
「なぁマサキ」
課題を無事出し終え、昼休み。
俺はカオルと昼ご飯を食っていた。
「前から聞きたかったんだけどよ」
「んだ?」
「マサキってヒメとどんな関係なんだ?」
「何って…幼馴染だろ。
何度言えば気が済むんだよ」
「じゃあ質問を変える。
ヒメとどんな関係になりたいんだ?」
「……は?」
「このまま幼馴染止まりで良いのか?」
このまま幼馴染止まり…。
俺は毎朝母親が作る弁当を食べる手を止めた。
「お前がヒメに恋しているのはわかってんだよ。
ヒメがお前をどう思っているか知らねぇけどさ。
……ヒメとこのままで良いわけ?」
「…………」
俺はカオルに1度もヒメが好きだと話したことはない。
だけどカオルはわかってしまった。
『どうしてわかったんだ』と問い詰めた時、コイツは簡単に言った。
『マサキの視線を見ていればわかる』、と。