佐々倉のカノジョ。-second-
「落ち着いた?璃乃」
「うん、すごく楽になった……ありがとう」
ふぅ、と体に溜まる息を吐き出す。
チャイムが、何回か鳴り響いていた。
いまは、何時間目だろう。
「ごめんね、授業サボらせて……」
「あほだなぁ、璃乃と授業なら璃乃を選ぶに決まってるでしょっ?」
「……う」
「ちょっ、なんでまた泣くの!」
ぐい、とみのりんが自分のブラウスの袖で私の涙を拭ってくれた。
「優しいなぁと、思って……」
「もぉ、泣き虫っ!」
でこぴん!っと言ってみのりんがあたしのおでこをはじく。
「いてっ」
なんだか、このやり取りに、笑顔がこぼれた。
まだ、笑えたよ、私。
大丈夫。大丈夫。
嵐くんのことは、まだ大好き。
だから辛いけど。
まだ、諦めないから。