佐々倉のカノジョ。-second-
教室に戻ってみると、もう1時間目が終わったところだった。
でも…
「あれ、兄貴鞄なくね?」
そう、私の後ろの席には、鞄がかかっていなかった。
いつも、黒のリュックがかかってたのに。
「休みかね?まぁ、璃乃、ちょっとはこれで落ち着けるね」
「そう、だね…」
あーぁ…、もしかしたらもう、顔さえ合わせてくれないのかなぁ。
だとしたら、私もう立ち直れないな。
2時間目の数学の準備をして、席につくと、すぐにチャイムが鳴って授業が始まった。
だけど、私はずっと上の空だった。