佐々倉のカノジョ。-second-
嵐くんが出ていったカーテンの向こう側から聞こえてくる女の人の声。
誰だかわからない。
でもどこかで聞いたことがあるような…。
シャッという音とともに現れるその姿。
「どうも、西野璃乃ちゃんっ」
「…どちらさまですっけ」
全く見覚えのない人だった。
「ひどい!副会長、桜木サラサだよ!」
あ、始業式出なかったからかな、知らなかった。
そういえば去年は書記かなにかやってたような。
「てゆっか、璃乃ちゃん、あたしと同い年なのに~!覚えてねちゃんと!」
ぴっ、と人差し指を私に向けてくる。
それよりも……
「すごい声……だね」
サラサちゃん、すごいアニメ声っていうのかな、可愛い声してる。
だからなんとなく聞き覚えあったのかな。
「えへへ、よく言われる」
あと仕草とかすごい可愛いし、女の子って感じだなぁ……。
まじまじと見つめていると、サラサちゃんが照れたような顔をする。
「やだやだ、見つめないでよもう!」
「おぉ……」
女子って感じだ……。
「あっ!あたし仕事いかなきゃ!ばいばーい!」
「えっ、さよなら~?」
ぴゅん、と風のように去っていく。
というか、私に何の用だったんだろ?