佐々倉のカノジョ。-second-
心の置き場
「璃乃、カバン」
帰り際。
突然、嵐くんに手を差し出され、きょとん、と固まってしまった。
カバン?
渡せってこと?
んん?恐喝?
いやいや、いくらなんでも私に……
そのまま数秒間動かないでいると、嵐くんが私の頭を軽くはたく。
「へ、いたい……、どうしたの?」
「カバンっつってんだろ」
わけがわからず、でも、渡さないと怒りそうな雰囲気だったから恐る恐るカバンを渡す。
「帰るぞ」
「うん……?」
スタスタ、と早足で教室を出ていこうとする。
さっき仲直りしたはずなのになぁ……。
また何か怒らせるようなことしたかな。
「……ちょっと待ってよ~!」