佐々倉のカノジョ。-second-
「……ふ」
頭を撫でられる。
なんだ、機嫌悪いんじゃなかったんだ。
よかった。
この景色を見せるために黙ってたの?
嵐くん、嘘下手だもんね。
「なぁ、璃乃?」
「なーに?さっきから」
「俺たち別れよう」
……え?
なに言って。
「なんの、冗談?」
自嘲気味に口から笑みがこぼれてしまう。
嘘でしょ?
私にドッキリでも仕掛けてるの?
「冗談なんかじゃねぇよ」
やだ、やだ、やだ。
それ以上は言わないで。
綺麗な景色がくぐもっていく。
「なんで?好きって……」
「……」
ずっ、と微かに鼻をすするような音が聞こえた。
「嵐く……!」
ガッ、と顔を後ろに向かされ、唇を重ねられる。
「……ごめん、ごめん……っ」
つ、と頬を涙が伝った。
なんで泣くの?
どうして別れなきゃいけないの?
なんでキスなんかするの?
どうして、なんで?
そればかりが頭を巡る。