聖夜の夜に…


そして、

以前私たちが住んでいたところから新幹線で二時間。

電車で30分の何もない田舎についた。

お母さんは悲しそうに私と駿を見つめていて、
だけど、

そんなのにも構えないくらい

私の心は弱っていた。

柴崎。

柴崎だけが支えだった。

柴崎に会いたい。

笑って抱きしめて好きだよって言ってよ。

そしたら、私も好きだよって笑って抱きしめ返すから…。

でもそんなの叶わない願い。

丁度目の前に止まったバスに乗り込んで電車に揺られること10分。

おばあちゃんの家に着いた。


< 27 / 50 >

この作品をシェア

pagetop