聖夜の夜に…


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「サンタさん。」

…。

3年前の、冬?

マフラーを巻いた私の隣のベンチに座るサンタさんは、首を傾げて私の次の言葉を待つ。

「私の好きな人ね

茶髪のパーマでいつもふわふわしてて話し上手でかっこよくて優しいんだ!」

と笑いかけるとサンタさんはうんうんと頷いてくれる。

「けどね、その人彼女が、いてね。

その他にも彼女がたくさん、いるんだ。」

マフラーにぽつぽつと落ちていく雫。

頬からゆっくりと制服の紺のスカートに落ちていく。

止まれ、止まれ。

「…っヒック…ウゥッ…」

なんでだろう、こんな涙が止まらないのは初めてだ。

そんな私をサンタさんは、優しくゆっくりとなにもいわずに包み込んでくれたんだ。

暖かくて、優しいぬくもり、

私は余計涙が溢れた。


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