『 忘れかけてた恋の色 』~ 短編 2部作~
日下が喫煙ルームから出てくるなり無言で殴った女子社員の腕を掴んだ。無表情だったが、今にも殴りかかりそうな目をしている。

日下:「魚住に謝れ」

掴んだ手に力が入る。女子社員の顔が一瞬歪んだ。

女B:「離して下さい!…何でですか?何でいつも魚住さんなんですか?!」
日下:「変な言い掛かり付けてんじゃねぇ。…いいか?静かに言ってるうちに謝れよ」
女B:「嫌です!…絶対イヤ!魚住さんなんか大っ嫌い!日下さんも牧田君も…みんな騙されてるんだよ!!」

そう言うと腕を振りほどいて2人は逃げるように去って行った。魚住だけは相変わらずキョトンとしたまま。

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