『 忘れかけてた恋の色 』~ 短編 2部作~
②
木々が新緑に染まり始めた頃、1人の青年が中途採用で入社してきた。伏し目がちにはにかんで笑う、その姿に社内は一気にザワついた。
部長:「今日からうちの部署に配属になった『牧田』だ」
牧田:「本日よりお世話になります、牧田 一至です。よろしくお願いします」
なんか爽やかな人…。心なしか女子社員たちの目が輝いている。
部長:「牧田の教育係りを…魚住、頼んだ」
魚住:「…え?!」
耳を疑う言葉だった。女子社員の冷たい視線を感じていると、部長と牧田が私の元へとやってきた。