『 忘れかけてた恋の色 』~ 短編 2部作~

魚住は涙を堪えながら、一生懸命話し出した。

魚住:「なんで…泣いてんだろ。…凄いバカみたい(笑)」
牧田:「…」
魚住:「…でも、もし…ただ素直に言ってもイイなら…色んな事考えなくてもイイなら…」
牧田:「…」
魚住:「私も…牧田が好きだ…」
牧田:「…本当に?」
魚住:「好きだけど…ごめん、私女として…全然自信ないから…怖いや…」

牧田は魚住を抱きしめた。優しくて温かくて、初めて牧田に男を感じた。年下で可愛い後輩だった筈なのに…大きな腕に包まれると、なんだか泣けて仕方なかった。牧田は優しくキスをして『ありがとう、きっと幸せにしますから…』と言った。それから、また2人はどちかからともなくキスをした。何度も、何度も…。

ずっと恋を忘れていた事が、なんだか『女を休んでいた』ような気がした。仕事に夢中になり、友情を優先させてきた事は間違いではないと思うけれど、女としては残念になりかけていたんだと、痛烈に思うのだった…。


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