『 忘れかけてた恋の色 』~ 短編 2部作~
店に入ると珈琲のいい香りに包まれる。会社でのストレスが一気に吹き飛ぶようだ。幸せを感じながら、いつもの様にテイクアウト用のコーヒーを注文するつもりでレジに並ぶ。

男性:「いつもので宜しいですか?」

若い男の声をスルーし、視線も合わせず『はい』と軽く返事をしてバックから財布をさがす。お金を払って珈琲を受け取るその時だった。

男性:「お仕事お疲れ様です」

その言葉に驚いて顔を上げると男性は笑顔で「ありがとうございました」と続けて言った。

< 63 / 120 >

この作品をシェア

pagetop