『 忘れかけてた恋の色 』~ 短編 2部作~
同じ間取りの全く違う部屋…。とても不思議な感じで落ち着かない。

涼太:『適当に座ってて』

そう言ってキッチンへ向かった。部屋には本棚にベッド、テレビにお洒落な照明、小さなテーブルと台本らしき冊子が何冊も置いてあった。男の人らしいシンプルで可愛い部屋だった。キョロキョロしながらテーブルの前に座ると、佐久間がコーヒーの入ったマグカップを持って戻ってきた。

涼太:『変な感じでしょ(笑)』
紗織:『うん(笑)でもシンプルでイイね』
涼太:『ありがとう(笑)コーヒーどうぞ』
紗織:『ありがとう』

差し出されたマグカップを両手で受け取ると、いつものお店の香りがした。

紗織:『お店の香りだ』
涼太:『紗織さんがいつも飲んでるのとは違うけど、これも美味いんだ』
紗織:『頂きます…ホントだ、美味しい(笑)』
涼太:『でしょ?』
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