いい人に恋してます。
「なんか、折角信頼して頼んでくれた幹事の仕事を利用するみたいで悪いんだけどさ。」
「いや、よく言ったよ!
そのくらい腹括って頑張んなよ。私達も出来ることなら何でもするからさ。」
少し興奮気味に机から身を乗り出しながら話す優子。
「ほんとはさ、二人で幹事って少し大変かなとも思ったんだけど柏木さんも前にやったことあるって言ってたし、これがいいきっかけになればなって思ってさ。」
「優子…。」
優子の優しさと気遣いに、場所が社食にも関わらず涙目になる。
「ほら、泣かない泣かない。
泣くのは振られてからにしなさい。」
うぅ、手厳しい。
カーディガンの裾で思い切り目を擦り、残りの鯵フライを頬張った。