いい人に恋してます。

「私さ、柏木さんと文乃はお似合いだと思うよ?
文乃に合ってると思う。
柏木さんみたいな良い人ってなかなか存在しないからさ、諦めて欲しくないんだよ。」


鯵フライを食べ終わり、ぐいっと水を飲み干した優子はおしぼりで口を拭いながら続ける。


「文乃には幸せになってもらいたいの。」


優子の左手薬指にはまったピンクゴールドの幸せの象徴がきらりと光った気がした。


「ま、二人がくっついたら八木君が泣いちゃうかも知れないけどね。」


ふふふ、と悪い笑みを浮かべる。

ほんとだね。と私も笑いながらもう一度決意する。


白石 文乃27歳、本気の本気で頑張って、今度こそ今まで夢見続けてきた幸せをつかんで見せます。

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