いい人に恋してます。

そんな声を出されると、俺の理性は簡単に崩れそうだ。

しかし、今日のために奮発してドレスを買い、決して太っているわけでもないのにダイエットに勤しんでいた彼女の努力を知っているので、頑張って理性の壁を立て直す。


「取れた?」

「あ、あぁ。」


右手には彼女の髪、左手には彼女が着けているネックレス。


猫っ毛の彼女の髪は絡まりやすく、買ったばかりの小振りのチェーンのネックレスは一発だった。


俺はただ彼女の絡まっている髪の毛を解こうとしていただけなのに。

重症だな、俺。

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