私達の恋愛事情。



教室を後にした彼女は佐渡山君の靴箱に何かをいれ、去っていった。



彼女が去ったあと、私は佐渡山君の靴箱から彼女がたった今入れたものを取り出した。




それは、可愛らしい字でかかれた彼女の最後の悪足掻き。



─放課後、屋上で待っています─

と書かれた手紙。




その事を分かっていて、最低な行為だとわかっていながら。私はその手紙を持って教室に戻った。





「どこ行ってたのよ。」



と言う沙羅の言葉に苦笑いしながら適当に返しながらその後の授業を受けた。



「沙羅、一緒帰ろ。」



放課後、屋上に向かう琉衣ちゃんを見ながら沙羅と一緒に学校を出た。





学校を出たとき、振り返ると女の子と腕を組みながら帰る佐渡山君の姿があった。



家に入った瞬間、



佐渡山君が思い浮かんで。

屋上で待っているであろう琉衣ちゃんの姿が思い浮かんで。



私は罪悪感を感じながら自分の部屋のベットに埋まるように倒れこんでそのまま眠りに落ちた。




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