天使のメガネ



「お客さん?」


不意に呼び止められた。

店員が蕎麦を持ってきた所だった。


「あ、あのすいません。ざるそばをもう一枚頂けますか?」


私は店員に聞いた。


店員は、快く応じてくれた。



「あの、失礼ですが、先程から誰とお話になられているんですか?」


店員が恐縮しながら聞いてきた。


答えに窮した私は、ついとっさに

「あ、彼氏です!!見えないかも知れませんが」

と、答えてしまった。


店員は、ひきつりながら笑っていた。


ははは……。



そりゃ、そうだ。

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