天使のメガネ

‡除夜の鐘から新年へ




痛い娘だと思われたのか、
それ以上何も聞かれなかった。


よそよそしい店員が、蕎麦を持ってきた。


見る見るうちに蕎麦が減っていく。


イリュージョンか。


これだけ人がいるのに、そのイリュージョンに気付いている人は、居なかった。


私はそう思っていた。

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