天使のメガネ
「あのね、お父さん、お母さん……」
急に改まった私の表情に、両親も少し神妙な面持ちになる。
「みなみ、どうしたの?」
母親が言う。
「じ、実は……。
私のメガネについて、話さなきゃならい事が在って……」
「ん?メガネ?メガネがどうかしたのか?」
父親は、些か拍子抜けしたのか、矢継ぎ早に聞いてきた。
「私が掛けてるこのメガネって、特定の人が見えるメガネなんだよ……」
言ってしまった……。