天使のメガネ



「あのね、お父さん、お母さん……」


急に改まった私の表情に、両親も少し神妙な面持ちになる。


「みなみ、どうしたの?」

母親が言う。



「じ、実は……。
私のメガネについて、話さなきゃならい事が在って……」


「ん?メガネ?メガネがどうかしたのか?」


父親は、些か拍子抜けしたのか、矢継ぎ早に聞いてきた。


「私が掛けてるこのメガネって、特定の人が見えるメガネなんだよ……」


言ってしまった……。



< 112 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop