天使のメガネ
……。
−わ、私は美の女神アフロディーテ……。
貴女の願いを叶えるために、天が使わせた救済の神です−
−私はクリスマスの夜に、熱心に祈る人を救うように言われております。
貴女の切なる願いを受けて、こうして貴女に神託を与えようと現れたのです−
た、確かに祈りました。
彼氏が欲しいと祈りましたけど、ま、まさかこんな形でメガネの話とか……。
ど、どうしたらいいんですか私…。
はい、じゃその理想の男性を写し出すメガネを頂きます!とか、
言えるわけ無いじゃないですか!
−……。ふむ…ふむ……。
まあ、確かにそうですね。
いきなりですね。
でも、用意してしまいましたので貰って頂かねば成りません−
ええ〜っ!?
そんなあっさり……。
−私も、神と言う立場上、他の人にも神託を与えねばならぬ身。
ひとまず、こうしましょう。貴女に貸しておくと言う形で−
ええ〜っ!?
そんないい加減な……。
−まあ、暫くその天使のメガネを使って、気に入らなければ返して頂くと言う事でお願いします−
そう言うと、私の手元に天使のメガネを置いて、
アフロディーテと名乗る女神は、光の彼方に消えてしまった。