天使のメガネ



全身から鳥肌が立った。

甘い香りと、リアルな唇の感触を首筋に受けて、
くすぐったさと、不意を突かれた行動を受けて、

私はもう、どうして良いのか分からなくなった。

「え、ええっ!?」


真っ赤に紅潮した顔を、
背中から抱き付いてきたこの人に向けた時、

至近距離に美しい顔があった。


童顔で、可愛らしく、甘えるような顔。

今までのどんなアイドルにも追随を許さない
絶対的な美しさ。


彼は悪戯っぽく目を閉じて、
「ねえ、キスしてよ。」
と、私に言った。


< 35 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop