天使のメガネ



「えっ?みなみ、何を言ってるの?
ほら、早くしなさい!遅刻しちゃうわよ!」


「お、お母さん!?見えないの?」


「は?どうしたの、みなみ?昨日の夜からちょっと変よ?」


どうやら母親にはアルスが見えていないようだ。

すると何を思ったのかアルスは、
毛布から抜け出して母親に抱き付いた。


「ねえ、この人が君のお母さん?綺麗な人だね」

は?

ちょ、ちょっと何してるの?

離れて!

こら、離れなさい!!


私はアルスに、
必死でジェスチャーで訴える。


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