天使のメガネ
澄香の嘘に合わせるように、私は話を進めた。
「澄香は、彼氏とか欲しくないの?」
一瞬、澄香は戸惑う。
私は見逃さない。
「え?なによ急に。私は別にいらないよ〜、みなみと一緒の時間を大切にしたいな」
嘘ばっかり。
「そう……。私は欲しいかな、彼氏」
「え?本当に?」
「うん。あの最低男じゃなくて、もっと素敵な人」
「ふふふ……。そうなんだ〜みなみ。
良かった〜けっこう前向きになったんだね」
澄香は普通に笑った。
全てを見透かしたように。