天使のメガネ



それ以上私は何も言わなかった。


いつもの地味な私に戻った。


澄香と私は、澄香の一方的なお喋りに、
私が相槌を打つ。

相談すべき事も無いし、昨日の教会で過ごしていた二人の事も、
私は言うつもりもない。

まして、
朝の不思議な出来事を、
この信用できない女には絶対に話せない。



私が本当に喪失したのは、純潔ではなく親友だったんだ……。

< 44 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop