天使のメガネ



「ね!解ったでしょ!」

アルスは私に言った。


いかにこのメガネが貴重なのかを、
私に対して熱く説明してくれた。



「うん。解ったけど、どうして私だけに、この贈り物をくれたの?」


アルスは真剣な眼差しで私に言う。


「たまたま、なんじゃ、ないかな……」


はあ?


意味がわからない。


「みなみ、アフロディーテ様は、凄く気紛れな神様なんだ。
普段はエロスって言う、いけすかない子供オヤジを使って、両想いの恋人に導いてくれるんだけど、
アフロディーテ様の場合は、神託って言うのかな……
願った人自体の願いを叶えてしまうと言うか、なんと言うか……」


アルスが何を言っているのか、
本当に理解できない。


「まあ、アフロディーテ様が直接願いを叶える何て事は、
宝くじの一等が当たる確率よりも低いんだよ」


私は天使のメガネを外す。


少し、一人で考えたい気分だった。


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