天使のメガネ



「天使は風邪引かないよ」


そうなのか。

ナントカも風邪を引かないみたいな奴なのかな?

「バカじゃ〜、ないからね、ちなみに」


心も読まれてしまうのかしら…


「アルス、サイズどう?」


みるみるうちに洋服は消えていく。


「天使への貢ぎ物として、我が血肉になるがよい……」


アルスは、初めて天使らしいことを言った。


「儀式的なアレなの?」

「そ。お供え物って、一応好意と畏敬の表れだから」


ふ〜ん……。


それにしても似合っている。
青いワイシャツと、黒めのパンツ。
ダッフルコートも似合っている。


外国人の留学生のようだ。


私はうつ向いて、

「あ、アルス…似合ってるよ……」


アルスはいきなり腕にしがみついてきた。


「え!?みなみ、何だって?もう一回言ってみて?」


うっ……。


言えるわけないじゃない……。


恥ずかしい!!

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