天使のメガネ



冬休みもいよいよ本格的になる2日目。


私はベッドから立ち上がり、メガネを掛けた。


部屋を見渡す。





足に違和感を感じた。


こ、これは……。


明らかに何かを踏みつけた感触。


軟らかい何か。



「う、うぐぐぐ……」


声に気付いて足下を見ると、



私は生まれて初めて、
男性のお尻を踏んづけていた。


綺麗な


それはそれは小さくて

真っ白な。



高校2年生の冬休み2日目。


私の人生初尻踏みは、印象深いものとして記憶に刻まれた。


慌てて足を上げ、
尚且つバランスを崩して、


あろう事か、
アルスのお尻に尻餅を突くと言う、


駄洒落のような朝から始まった。

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