天使のメガネ



「……。ゴメン、みなみ……ついつい大きな声を出して……」


弱々しいアルスの声だった。


「こ、こっちこそごめんね、アルス!」


平身低頭。


謝罪の基本はこれである。


「あ、だ、ダイジョウブダイジョウブ……」


様子がおかしいアルス。

「本当に、大丈夫なの?」


相変わらず前方下腹部に手を差し込んだまま、顔だけを私に向けている。

「起こそうか?」


またしても私が手を差し出すと、


「ダメ!今はダメ!」


???


どう言う事なんだろう?
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