バンテスト魔法書の保持者
「ヤマト、今の発言は控えるべきだ」


「だって本当のことだろう?カイラル、お前もそう思ってるんじゃないか?」


「思っていたとしても、Fクラスの前で言うものではないだろう。劣っていることはFクラスの生徒が一番理解している」


カイラル先輩はヤマト先輩を注意しているものの、言った言葉は否定していない。


逆に肯定している発言をしている。


優越感は隠しきれないってことか?


何にせよ、生徒会の人達は差はあるけどFクラスを見下している。


本当にこの学園はどいつもこいつも‥‥‥


「ま、そうだな。Fクラスなんて、この学園の恥も同然‥‥‥」


「おい!」


生徒会の話を聞いていた男子生徒が怒った声で生徒会に話しかけた。


あれはFクラスの‥‥‥ライブ・サクルって名前だっけ。


Fクラスの中ではムードメーカー的な存在で人気者。


焦げちゃ色の髪と赤の瞳をしている。


「何だ?」「何か?」


「さっきから聞いてりゃFクラスは学園の恥とか失礼だろ!礼儀は先輩だか生徒会とか関係ねぇはずだろ!」


おお、こっちもすごい度胸。


まさか生徒会に口出しするとは。


ものすごい正義感。


「なんだ?1年のFが口出しすんな。事実だから仕方ねぇだろ」


「学園の恥なら何でFクラスはここの制服を着てここの学園に入学できたんだよ!?ここに入る資格があるからだろ!?」


けっこうしっかりした意見を持っている。


確かに今のは正論かもしれない。


だけど‥‥‥この学園で、Fクラスの実力がないのもまた事実。


ライブさんの言葉を聞いて一番に反応したのはカイラル先輩だった。


「それは君の使い魔かい?」


カイラル先輩は、ライブさんの頭の上に乗っている小ドラゴンを見て言う。
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