バンテスト魔法書の保持者
頭の回転もいいし、戦闘技術もいい方だ。


リーダーシップもカリスマ性もある。


だが、それをダメにしている。


イナリシア関わってから、それが更に悪化したように思えた。


何かに焦っていて、周りが見えていない。


生き生きとした表情もなく、何か追い詰めているようなものだけ。


‥‥‥‥‥まさか、な。


「レイト」


「なんだ?」


「俺はお前のことは嫌いではない。だが、今のお前は嫌いだ」


「どういう意味だ?」


「それが分かった時、もう一度話し合うことにしよう」


「‥‥‥‥わかった。グランプリまでまだ時間はある。じっくり考えることにする」


レイトはそう言うと、部屋を出て行った。


さて、どうするか‥‥‥‥


レイトのことより、問題はイナリシア王女だ。


彼女が何を考えているか分からない。


今日は無理やり出てきてしまったし、また生徒会室に呼び出されるだろう。


「‥‥‥‥めんどうだな」


『リオウ様』


(イザークか。なんだ?)


『レイトさんのことですが、何か特殊な魔力を感知しました』


(何?それは本当か?)


『はい。間違いありません。ハクアも同じことを言っております』


特殊な魔力?


レイトは何かの魔法をかけられているということか?


また悩みの種が増えた。


溜め息をついてベッドに寝転がる。


そして目を瞑り、俺は眠りに身をゆだねた。















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