バンテスト魔法書の保持者
そういえば、ランナは学年順位197だっけ。


ミネアか‥‥‥‥


「私、あの子のことよく知らないのよ。私の国はネイナードと離れているし」


「そういえば、ランナさんの国は小さな島国でしたわね」


「ええ。和国は閉鎖的だし、知ってる人も少ないでしょう」


和国。


独特な文化が育った閉鎖的な島国。


あまりよく知らないが、からくりという技術が盛んらしい。


ザワザワ‥‥‥ザワザワ‥‥‥


授業がそろそろ始まる。


すると、自然と場は落ち着きを無くす。


理由はそう、Sクラス上位の登場。


「来るだけで騒がれちゃあ、人気者も大変ね」


「あら、ランナさん、やきもちですか?」


「バカ言わないでよ。あのポジションには行きたくないわ」


ランナは本当に嫌なようで、顔を歪めていた。


うん、私もあそこには行きたくない。


でもSクラスには行けた方がいい‥‥‥


難しい問題、かな。


「リューラ」


「リオウ」


リオウは私を見つけると、一直線にやってきてくれる。


周りから痛い目線がくるけど、気にしない気にしない。


「今日はサボらないのか?」


「サボリたかった」


「ほどほどにな」


仏頂面でそう言う。


リオウもサボりはたまにやる。


今日、サボりたいのは同じ気持ちみたいだ。


「リオウ様、今日はよろしくお願いします」
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