バンテスト魔法書の保持者
「‥‥‥レイト」


「っ!‥‥‥なんだ?」


名前で呼ばれるとは思わなかったのか、驚いて少し目を見開くレイト。


大丈夫、大丈夫。


目の前にいるのは、ただの同級生。


この人は何も知らないのだから。


「‥‥‥こちらこそ‥‥‥‥よろしく」


「ああ、よろしく」


レイトは無表情で、どこか警戒している感じがある。


1国の、それも大国の王子だから仕方ないのかもしれない。


レイトは‥‥‥


キーンコーンカーンコーン


「今日組む相手とは既に合流してるか!?」


「合流していないペアは早く合流しろ!」


授業が始まる鐘が鳴る。


それと同時に響く、レイカ先生とオーガ先生の声。


「「それでは、授業を始める!!」」


2人の声が重なった瞬間、私達のいる1フロア全体に結界魔法が展開された。


部屋の床に大きな1つの魔法陣。


魔法陣を見つめ、魔法の構成を読む。


結界、空間系魔法。

魔法系統は〈無〉

魔法師が魔法陣を展開

この空間からは、1度入ってしまえば出られない。

展開した者が魔法解除した場合のみ出られる。

外部から結界内に入ることは出来ない。


その場にいたら、大きな檻が降ってきて閉じ込められたらようなもの。


まぁ欠点と言えば、この魔法を使った者は必ず中にいるということ。


なんでこんな魔法‥‥‥‥


「まず、1時間目の授業は魔力の受け渡しをする授業だ」
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