バンテスト魔法書の保持者
才能に溢れているレイト。


王子だし、魔力の受け渡しくらい小さい頃に習っただろう。


やっていなくても、レイトくらいならすぐに出来る。


見ればわかる。


レイトは、少なからず実戦を知っている。


命を狙われたことだってあるだろうし。


「‥‥‥‥‥‥私、やる」


悩んだ末、自分の魔力を送ることにした。


やっぱり、ハンラルトの魔力は嫌。


「できるのか?」


「(コクリ)」


呟いたのはいいものの、不安はある。


私の魔力は、少し特殊だったりする。


まぁファルファラ族っていうのもあるんだろうけど。


レイトと私はお互いに向き直る。


レイトもオーガ先生も、少し肩に力が入っている。


それは私も同じ。


学年1位と最下位。


自然と視線が集まった。


大丈夫、大丈夫‥‥‥‥


『リューラ』


頭の中に、ルクスの声が響いた。


『大丈夫だ』


その言葉だけで、肩の力が抜ける。


手を突き出し、レイトの胸に向かってかざす。


目を1回閉じる。


そして目を開いき、レイトに魔力を注ぐ。


「なっ!?」


「!」


私の注いだ魔力の影響で魔力が溢れ出し、レイトの髪が軽く浮いた。


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