バンテスト魔法書の保持者
オーガ先生が驚いて声を上げた。
俺は目を見開いて、自分の体を見ている。
リューラが魔力を注いだ瞬間、魔力を受け取った瞬間、身体が満たされた。
魔力が溢れ、力が湧いてくるようだ。
なにより‥‥‥‥
なんて、澄んだ魔力。
心地よささえ覚えた。
魔力の相性がいいからか?
いや、それは考えにくい。
魔力の受け渡しは、何度かしたことがあった。
兄達とも、ミネア姉様とも。
だが、これほど満たされたのは初めてだ。
これが、美しい魔力というものか?
「魔力が、溢れる‥‥‥‥」
思わず、ポツリと呟いた。
リューラに目を移すと、ホッと息をついて安堵していた。
成功したからだろう。
「レイト、大丈夫‥‥‥なのか?」
「なぜですか?」
魔力が溢れているからか、オーガ先生は俺を凝視している。
周りの者もだ。
「なぜ、こんなに‥‥‥‥」
オーガ先生は、まるで目を疑っているかのようだった。
俺も驚いている。
受け取った魔力は、決して多いわけではない。
なのに、なぜこんなに‥‥‥‥
リューラの魔力を自分の魔力に変え、魔力を調和していく。
完全に調和し終わると、溢れ出ていた魔力が身体におさまる。
「リオウ様、すごいです!」