バンテスト魔法書の保持者
「おい、リューラ」


不意に、オーガ先生がリューラを呼んだ。


リューラはオーガ先生に目線を移す。


「なぜ、否定するんだ?お前の魔力がレイトにあったんだ。レイトの魔力もお前にやっても問題はないと思うが」


「‥‥‥‥王族、嫌い、だから?」


「理由になってない。それに、なんで疑問系なんだ」


「‥‥‥‥」


理由にはなっている。


魔力は、感情に強く反応する。


だからイメージ力が大事なのだ。


マズいな。


リューラがどれだけ俺を、ハンラルトを嫌っているかは知らない。


だが、あの時見たリオウ。


リオウと同じほど嫌っているなら、かなりだ。


下手をすれば、嫌っているなんてレベルが違うかもしれない。

 
「オーガ先生」


「なんだ?レイト」


「魔力を送る相手を、ペアを変えてもいいですか?」


提案した瞬間、リューラの目線が再び俺に移る。


オーガ先生は眉間に皺を寄せた。


「なぜだ?」


「魔力は感情に強く影響します。王族を、俺を少しでも嫌っているなら、変えた方がいいと思うのですが」


「レイト、お前まで何言ってんだよ‥‥‥」


呆れたように溜め息をつくオーガ先生。


やはり、理由が弱いか。


困ったな‥‥‥


ペアを変えられる可能性は低い。


リューラの方に目線を移す。
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