バンテスト魔法書の保持者
威圧するように言うリル。


発言には威圧感はあった。


さすが時期アルテ家と呼ばれるだけはある。


その存在感は、言葉だけでも人を圧倒する力がある。


だが、リューラは表情1つ変えなかった。


「リューラ‥‥‥さん?」


「ハンラルト王国・第3王子」


突然、そう言ったリューラ。


ワンテンポ遅れてリルが反応した。


「え、ええ、そうです。それ以外には?」


「Sクラス・学年主席」


「そうよです。それに比べ、あなたは?」


「平民・庶民・Fクラス・学園、学年最下位」


何も恥じず、リルの目をしっかり見て言うリューラ。


だが、その声はリル以上の存在感があるように聞こえた。


「わかりましたか?あなたとは、天と地の差がありますの」


「‥‥‥‥」


「聞いてますか!?」


「(コクリ)」


聞いてはいる。


何も反論しない、それ以前に表情も変えない。


俺からみれば、リルの方が立場が悪くなっているように見える。


一方的に叱っているからだ。


リューラは聞いているが、おそらく流しているだろう。


「リル、もういいだろう」


「え?」


「拒否したことを俺は気にしていない。それ以前に、お前には関係ないだろう?」


「いや、私は‥‥‥‥」


「リューラは別に悪いことはしていない。拒否したのにも、それなりに理由があるだろう」
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