バンテスト魔法書の保持者
あの者は‥‥‥ルシータ、だったな。


「ルシータか。しかしな、まだ授業中だ」


「この戦闘、かなり勉強になると思いますよ」


「?」


「アルテ家のリル様も強いでしょう。けれど、
リューラさんはきっとそれ以上ですから」


「それは本当か?」


「答えは、この決闘の中にありますよ~」


ルシータの言葉に、俺とレイカ先生はリューラとリルに目線を戻す。


この決闘、どうなるかは予想がつかない。


だが、勝敗は既に見えているような気がした。


‥‥‥‥が勝利する。


それも、恐らく苦戦することなく。


何故かリューラから目が離せなかった。


「リル・アルテ、か」


「リオウ様?」


「いや、まさかな」


5・4・3‥‥‥‥


カウントダウンが始まった。


リルが既に魔術装備を手にしている。


だが、リューラは何も持っておらず構えてすらいない。


2・1‥‥‥START


その合図と共に、決闘が始まった。





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