バンテスト魔法書の保持者

試合後の戯れ


頭がぼーっとする。


雷に撃たれて、今はリオウの腕の中。


身体が焼け付くように痛い。


まだ、熱い。


熱い、熱い、あつ、い‥‥‥‥


「精霊よ、その神聖なる癒やしの力を持って力失いしかの者に再び立ち上がる力を与えん
〈セイクリットホーリーヒール〉」


リオウの唱える声が聞こえ、身体が暖かい温もりに包まれる。


燃えるような痛みと熱が引いていく。


温かい‥‥‥


目を閉じ、温もりに全てを委ねる。


リオウの魔力、シンルスの魔力。


もう、1人‥‥‥


誰?


どこか、懐かしい‥‥‥‥


「リューラ」


優しいリオウの声。


リオウと‥‥‥‥


「子猫ちゃん?」


微かに感じる、懐かしい、懐かしい‥‥‥


この、魔力は‥‥‥


「ファー、ザー?」


「え?」


顔を僅かに動かして、声の主をボンヤリと見つめる。


真っ白な、髪。


ファーザーの、白い‥‥‥‥


白い髪に向かって手を伸ばす。


「子、猫、ちゃん?」


「(ピクッ)」


ボンヤリとしていた意識が、ハッキリとしてきた。


伸ばしていた手をゆっくり戻す。


オシレット先輩‥‥‥?
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