バンテスト魔法書の保持者
というか、あれ本気だったんだ。


うう、どうしよう?


何要求されるんだろう?


もういっそ知らないことに‥‥‥‥


「しらばっくれないでね?ま、ちゃーんと、あの試合に報酬設定してあるから、しらばっくれても無駄なんだけどね♪」


「‥‥‥」


そ、そんなことできるんだ。


リオウに目線を向けるけど、反らされた。


助けてくれない、よね。


「(ジー)」


負けじと熱い視線をリオウに送る。


するとリオウは溜め息をついて、私の方を向いてくれた。


私の頭に手を置いて、数回撫でる。


それから一言。


「もう大丈夫そうだな。それじゃあ、俺はこれで」


そう言って、方向転換して去って行く。


慌てて手を掴もうとしたけど、それより先に腕を掴まれた。


後ろを振り向けば、笑顔のままのオシレット先輩。


‥‥‥‥リオウの、バカ!


リオウが見えなくなると、オシレット先輩はようやく手を離す。


仕方なく向き合って、オシレット先輩を見つめた。


簡単な内容であることを、全力で祈る!


「それで、報酬なんだけど‥‥‥」


「(コクリ)」


オシレット先輩が指パッチンをする。


それと共に、何かが書かれた紙が空中に現れた。


「それにサインすることが条件だよ☆」


パチンとウィンクをしながら、オシレット先輩はそう言った。


空中で浮く紙の内容を読む。


そして私は心の中で絶叫したのであった。










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