バンテスト魔法書の保持者

次の日の午前7時。


私は男子寮のエントランスホールで、オシレット先輩を立ちながら待っていた。





      白と水色のメイド服で





あの空中の紙〈契約書〉に私は泣く泣く、渋々
サインした。


もちろん表は無表情で、だけど。


いや、歪んでたかもしれない。


契約書の内容はこう。


『私は明日から1週間、契約者の奴隷であることを承諾します』


これだ。


ということで今日から1週間、私はオシレット先輩の奴隷、らしい。


まぁ本格的な奴隷じゃないから、人権は維持されるやつなんだけど‥‥‥


嫌なモノは嫌。


というか、さっきから視線が痛い。


今は、だいたいの人が食堂に朝食を食べに行く時間帯。


部屋から出て食堂に行く時、エントランスホールにメイドがいればそれは気になるだろう。


それも昨日、オシレット先輩と戦った生徒なら尚更。


自分でいうのもなんだけど、結構いい試合をした自覚はある。


それもこのメイド服‥‥‥‥


フリルが多いうえにスカートは短いし、首のチョーカーには銀の鈴までついている。


1番の文句は‥‥‥


カチューシャとメイド服についている、白い猫の耳と尻尾。


これは本気で嫌だった。


カチューシャから靴下に靴まで、全身メイド服を着るはめになるなんて‥‥‥


契約書にサインしてから直ぐ、オシレット先輩に言われた事。


『じゃ、さっそく命令ね!明日の朝、これに着替えて男子寮のエントランスホールで待っててね♪』
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