バンテスト魔法書の保持者
レイトの言葉に答えるよう、人差し指を振って指を鳴らす。


契約書がレイトとリオウの前に現れた。


「1週間、契約書の奴隷?」


契約書を読んだレイトは眉間を寄せ、リオウは小さく笑みをこぼした。


リオウが私のそばにくる。


私は無言の目線で訴えた。


笑うな、と。


「契約者、というのは‥‥‥」


「子猫ちゃーん♪」


レイトの声を遮り、陽気な声が響いた。


それの共に、右手の甲に浮かび上がった魔法陣が光を放つ。


奴隷を縛る魔法陣である契約印。


これがある限り、奴隷は契約した者、つまりは主人から逃げられない。


こんな手の込んだ魔法陣まで仕込まれるとは思ってもみなかった。


まぁ強制力の弱い〈レベル1〉の魔法陣ではあるんだけど‥‥‥


「うんうん、ちゃんと着てきたんだね☆」


パチンとウインクしてくる、主人(仮)。


とてもつもなくウザイ。


オシレット先輩の左手の甲には、私と対になる魔法陣が浮かび上がっている。


奴隷にする契約魔法にはレベルがあり、それが高ければ高いほど強制力が強くなる。


つまりは高ければ高いほど、その者は主人には逆らえない。


最高レベルの5の魔法陣をつけられたものは、
人権などない。


3はギリギリ人権がある‥‥‥はず。


4は殆ど失っており、無いと変わらない感じではある。


奴隷の契約印‥‥‥‥

・・
また、これを付けられるとは。


それも学園の中で。


えらいえらい、と言いながら頭を撫でてくるオシレット先輩。
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