バンテスト魔法書の保持者
視界からイナリシア王女が外れ、代わりにオシレット先輩の背中が見える。
その背中を見た瞬間、何かがフラッシュバッグする。
思いだしたくない記憶。
だけど、安心できる背中。
矛盾した感情だ。
息をするのが楽になる。
私が顔を伏せると、オシレット先輩がイナリシア先輩に言った。
「僕、午前の授業サボりますんで♪」
「え?」
「は?」
突然の言葉に、イナリシア王女とイチカ先輩が目を点にした。
「じゃ、そうゆことで〜☆」
私の手首を掴み、オシレット先輩が風の早さで教室を出る。
私はただそれについていった。
*********************
オシレット先輩に引かれるがままついていき、
いきついたのは裏庭だった。
「子猫ちゃん、大丈夫?」
「?」
ついた瞬間そう問われ、私は首をかしげた。
「さっき、すっごく複雑な表情してたからさ。
それも、いいものじゃない感情のね」
真剣な表情だった。
さっきまでの張り付けたような笑みはなく、本当に心配してくれているよう。
「大丈夫で‥‥‥」
「ねぇリューラ」
「(ビクッ)」
突然名前を呼ばれ、肩を揺らす。
オシレット先輩の表情が、氷のように冷たいものになっている。
その背中を見た瞬間、何かがフラッシュバッグする。
思いだしたくない記憶。
だけど、安心できる背中。
矛盾した感情だ。
息をするのが楽になる。
私が顔を伏せると、オシレット先輩がイナリシア先輩に言った。
「僕、午前の授業サボりますんで♪」
「え?」
「は?」
突然の言葉に、イナリシア王女とイチカ先輩が目を点にした。
「じゃ、そうゆことで〜☆」
私の手首を掴み、オシレット先輩が風の早さで教室を出る。
私はただそれについていった。
*********************
オシレット先輩に引かれるがままついていき、
いきついたのは裏庭だった。
「子猫ちゃん、大丈夫?」
「?」
ついた瞬間そう問われ、私は首をかしげた。
「さっき、すっごく複雑な表情してたからさ。
それも、いいものじゃない感情のね」
真剣な表情だった。
さっきまでの張り付けたような笑みはなく、本当に心配してくれているよう。
「大丈夫で‥‥‥」
「ねぇリューラ」
「(ビクッ)」
突然名前を呼ばれ、肩を揺らす。
オシレット先輩の表情が、氷のように冷たいものになっている。