バンテスト魔法書の保持者
試合の時と同じ表情。
オシレット先輩の本心の‥‥‥一部。
「君、イナリシア王女に憎悪を抱いているだろう?」
「‥‥‥」
「それも、かなり大きなものだ。いつはち切れても可笑しくないほどの殺意を、君は押さえている。違う?」
全ての見透かすような鋭い目線。
なぜか、逆らえない。
私は嘘はいくらでもつける。
でも‥‥‥きっとオシレット先輩には、つけない。
ついてはいけないと、なぜか心が叫ぶ。
「‥‥‥どう、して?」
出てきた声は情けないほどに小さく、そして震えたいた。
「どうして、気づいた?」
「‥‥‥似ているから、かな」
「?」
「僕もね、イナリシア王女には君と似たような感情を抱いているんだ」
「‥‥‥」
「ねぇ、話してくれないかな?君のことを」
「‥‥‥」
凍てつくような視線と裏腹に、声はとても優しいものだった。
安心できる、とても優しい声。
あの者にそっくりで‥‥‥穏やかで‥‥‥
「いい、ものじゃない」
「大丈夫だよ」
「きっと、絶望する」
身勝手な私に。
どこまでも深い‥‥‥醜い殺意に。
「教えて、リューラ」
穏やかに微笑んでくれた目の前の人に、私は思わず溜め息を溢した。
オシレット先輩の本心の‥‥‥一部。
「君、イナリシア王女に憎悪を抱いているだろう?」
「‥‥‥」
「それも、かなり大きなものだ。いつはち切れても可笑しくないほどの殺意を、君は押さえている。違う?」
全ての見透かすような鋭い目線。
なぜか、逆らえない。
私は嘘はいくらでもつける。
でも‥‥‥きっとオシレット先輩には、つけない。
ついてはいけないと、なぜか心が叫ぶ。
「‥‥‥どう、して?」
出てきた声は情けないほどに小さく、そして震えたいた。
「どうして、気づいた?」
「‥‥‥似ているから、かな」
「?」
「僕もね、イナリシア王女には君と似たような感情を抱いているんだ」
「‥‥‥」
「ねぇ、話してくれないかな?君のことを」
「‥‥‥」
凍てつくような視線と裏腹に、声はとても優しいものだった。
安心できる、とても優しい声。
あの者にそっくりで‥‥‥穏やかで‥‥‥
「いい、ものじゃない」
「大丈夫だよ」
「きっと、絶望する」
身勝手な私に。
どこまでも深い‥‥‥醜い殺意に。
「教えて、リューラ」
穏やかに微笑んでくれた目の前の人に、私は思わず溜め息を溢した。