バンテスト魔法書の保持者
「‥‥‥少し、待って」
‥‥‥ごめん、リオウ。
目を閉じ、私はテレパシーを送った。
(リオウ、聞こえる?)
少しの間があき、リオウの気配を掴んだ。
(リューラ?どうした?)
少し驚いたリオウの声が頭に響いた。
(リオウ、あのね‥‥‥私、過去を‥‥‥オシレット先輩に、話すことに、した)
(!)
(許して、くれる?)
私の過去を知るということは、必然的にリオウの過去も関わってくる。
すぐにはリオウから返事はなかった。
沈黙が続き、不安が心の中に積もる。
(リューラ、お前が決めたことなら、俺は否定しない)
(!)
聞こえてきたのは、強い意思が込められた言葉だった。
(リューラ、お前の好きなようにしていい。俺はそれについていく)
(リオウ‥‥‥)
(俺はお前を信じている。後悔しないように行動しろ)
(リオウ‥‥‥ありがとう)
その言葉を最後に、テレパシーは途切れた。
私はオシレット先輩に背を向けて、裏庭にある気の根本に座る。
木の幹に座り、隣を叩いた。
オシレット先輩が隣に座る。
「目を、閉じて」
私がそう言うと、オシレット先輩はゆっくりと目を閉じた。
それを確認し、私は右手でオシレット先輩の左手を手にとり、指を絡める。
それから己の額とオシレット先輩の額を合わせ、目を閉じ、私は唱えた。
「我の紡ぎし時の跡。我を作りし時を、今ここに甦らせよ〈記憶の海(メモリーレコード)〉」
*********************
‥‥‥ごめん、リオウ。
目を閉じ、私はテレパシーを送った。
(リオウ、聞こえる?)
少しの間があき、リオウの気配を掴んだ。
(リューラ?どうした?)
少し驚いたリオウの声が頭に響いた。
(リオウ、あのね‥‥‥私、過去を‥‥‥オシレット先輩に、話すことに、した)
(!)
(許して、くれる?)
私の過去を知るということは、必然的にリオウの過去も関わってくる。
すぐにはリオウから返事はなかった。
沈黙が続き、不安が心の中に積もる。
(リューラ、お前が決めたことなら、俺は否定しない)
(!)
聞こえてきたのは、強い意思が込められた言葉だった。
(リューラ、お前の好きなようにしていい。俺はそれについていく)
(リオウ‥‥‥)
(俺はお前を信じている。後悔しないように行動しろ)
(リオウ‥‥‥ありがとう)
その言葉を最後に、テレパシーは途切れた。
私はオシレット先輩に背を向けて、裏庭にある気の根本に座る。
木の幹に座り、隣を叩いた。
オシレット先輩が隣に座る。
「目を、閉じて」
私がそう言うと、オシレット先輩はゆっくりと目を閉じた。
それを確認し、私は右手でオシレット先輩の左手を手にとり、指を絡める。
それから己の額とオシレット先輩の額を合わせ、目を閉じ、私は唱えた。
「我の紡ぎし時の跡。我を作りし時を、今ここに甦らせよ〈記憶の海(メモリーレコード)〉」
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